武器よさらば、病気よさらば ~治るまでに起きた経過

 一気にレベルを上げるのムリだわ。ゲームじゃないんだから。
 上げるにしても、敵を倒さなくていいんだわ。マンガじゃないんだから。
 ああカンちがい。
 これは、青春時代をゲームについやして志望校のランクを2つ3つ下げた元オタク松井二郎だけのああカンちがいであろうか。
 けっこうな日本人が、ゲームやマンガに影響されているとおもわれる。悪いことばを使えば洗脳されているようだ。
 このカンちがいによって病気が治らなかったといって過言ではない。

 病気においては戦うのをやめると治る。




 半年か1年で治そうと企んだが、5年、10年やって治らない。もう、こりゃ、のんびりいくしかないわ。長期戦だわ。
 いやまて。長期、戦? 戦ってなんだ。
「わたしは病気と戦います!」
 ハイかっこいい。わたしも、メルマガで発表したときは、けっこう自分に酔った(バカ)。
 そうなんだよなー。かっこいいんだよなー。戦う姿勢をしめしたほうが。世間ウケもいいんだよなー。ルフィも悟空も戦っているときがかっこいい。

 だが人生はマンガではない。かっこいいと言われたい欲に殺されてはならない。

 わたしが幸いだったのは、1日30回の下痢とおしりの激痛で、6年、外出できなかったことだ。
 元オタクで、引きこもるのが得意だったこともあり、人目を気にしなくなった。
 通院日だけは外出したが、病人なんだし、と開きなおってヒゲもそらず髪もとかさず家着で病院に行ったものである。座れないから座席3つ占領して横になっていた。そして気づいた。

 なんだ誰も見ちゃいねぇわ。

 そのころから、心がちょっとずつほどけてきたようだ。
 いま思うと心がカチカチにこっていたのが難病の原因だった。どう見られているだろうか。どう言われるだろうか。こうでなくてはならない。私は私でいなければならない。
 いくら体のコリをほぐしても治らなかったわけである。
 ふにゃふにゃしよう。ぐにゃぐにゃしよう。まず心から。

 さてこうなるとわりと早かった。
 心に正しい栄養を。体に正しい栄養を。この順番で入れると治りだした。
 そして。
 じわじわ治るのかとおもっていたが、これは、そうではなかった。ぽーんと治った。

 まず、「おや」と思ったのが、頭皮だ。異常なほどフケが出ていた、のは、ずっとだったが、かいていると
「ん?」
 ヌメッとした。んん? 爪が入る。え。なにこれ。ウミ?
 脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)というらしい。全体ではなく特定の部位だけ、わたしのばあいは2ヵ所、いつもドロドロジュクジュクしている状態になった。それがかさぶたになっては、はがれるとまだその下がドロドロジュクジュクしている。
 ははあ。治ってきたな。とうとうIgG抗体からIgE抗体への切り替わりがここまで進んできた。わたしは、ここが毒を出すのに都合のよい場所だから、ここから出ているのだ。(このへんの松本理論の詳しいことはそのうちまた復習しますね)
 かゆい。ふっふっふ。いいぞ。あーかゆい。

 もちろん放置である。
 かゆい。だがそれがいい!

 つぎに、耳だれが始まった。いつも両耳からドロドロジュクジュクした粘液が出ている。ほうほう。ここからも毒を出したいわけね。
 もちろん放置である。
 かゆい。だがそれが……イイぃーっ!

 どっちも体が必要だからやっていること。必要なくなれば止まるだろう。
 1年くらいたったろうか。

 止まった。
 クローン病が治った。

「え…… まじ…… 夜中いちども目をさまさなかったぞ……」
 いつもなら夜ウトウトしたとおもったら「はうっ!」肛門が爆発寸前で目をさまし(ときどきまにあわず)、また寝付いたら「あうっ!」目をさまし、最低5回はトイレに行くのが、突然1~2回に。ある日、ついにいちども起きず、朝日で目ざめた。おおお。久しぶりの感覚。眠ったあーという感覚。もう死ぬまでこんな日は来ないことを覚悟したのに。ついに。ついにきた。
 そして。
 トイレが1日4~5回に激減。なんと、形がある。
 数日すると、「あれ?」便座にすわったが出てこない。あ、そっか。大便って、いきむんだった。忘れていた。むん。おおおおお。久しぶりのこの感覚。

 血液検査の数値が、18年、横ばいだったのが、ハネ上がった。病気にかかわる値がすべて改善。
 次の血液検査。1つの項目をのぞいて正常値。
 その次の血液検査。すべて正常値。

「終わった……」

 ついに。ついに、やったよ、おっかさん。
 命つきるのが先か。治るのが先か。治るのが先ならいいなあ。
 で、治るのが先だった。

「松井さん、薬を使わないと腸を切除することになりますよ」
 しなかったわ。
 クローン病は発症すると7割の患者が10年以内に腸の一部または全部を摘出している。ナゾがとけた。医者がそうやってよけいな手出しをするからだ。クローン病で切ったのではない。人間がこざかしい浅知恵を弄したので切るハメになったのだ。
 わたしはクローン病を18年やって腸の手術をいちどもせずにすんだ。

「松井さん、薬を使わないと死にますよ」
 死ぬどころか治ったわ。「そうやって脅すのは医者の常套手段やー。ガッハッハ!」松本仁幸先生の言うとおりだった。
 けっきょく医者も、武器弾薬をつかって病気という敵を殺せと、どっかの誰かに影響されているにすぎない(そう洗脳しといたほうが都合のいい連中っているんだよ)。

 さんざん、いろいろ、あれこれやったが、最終的には、18年ほうっておく、ただそれだけだった。
 18年、下痢と痛みに耐えていればいいだけの簡単なお仕事です。

 ちなみに人生も好転しだした。
 病気においては戦うのをやめると治る。と書いたが、すべてこういうことなんじゃないか。てことで、言い直す。
 人生は戦うのをやめると良くなる。



◆編集後記
 かゆいときはかけばいいぞ。


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