いまの判断は常に最善の判断

 たしか「半沢直樹」のシーズン2だったと記憶するが(ちがってたらゴメン)、堺雅人さんが(ちがうかも)、銀行の階段を降りながら仲間にこぼした。自分がしていることは正しいことなのだろうか。正しいと思ってしているが、ほんとうにこれでいいのか、わからなくなると。
 仲間が励ます。
 そんなことは誰にもわからない。それは結果が出て初めてわかることだ。だからおれたちは、そのときそのとき、正しいと思うことをするしかないんだ。と。


 このメルマガは、松井二郎がジャーナリストとして、そしてなにより難病が治った経験にもとづいて、「これが正しい」と判断したことを書いているものです。
 いつも迷ってきました。調べに調べて、どうもこれが正解っぽい、と、いちおうそのときは判断して、決めたからには迷わず全力をつくす。そうしてきました。
 で、いま、どうやらほとんど治ったっぽい。「あ、正しかった。」と、ようやく確認できた次第です。
 17年かかりましたがー。笑

 これからもわたしの情報発信はこの連続です。それはすべてのことが、すべての人がそうであるように、わたしもそうなのです。
 なのでわたしの拙文を、ありがたいことに読んでくださっているあなたも、あくまでも参考にとどめて、最後は自分で決断してください。そしてその決断は、すべてのことがすべての人がそうであるように、絶対の正解なのかどうか、そのときはわからないことを知っておいてください。冷静に、なるべく多くの情報を集め、なるべく公平に情報を整理して、最後は自分のポリシーにしたがって決めるのです。それを正しい判断と呼んでまちがいありません。

 で、きょうはいただいたメールにお答えします。
 お悩みが深刻なので、わたしは、こうしてくださいとは言えない内容です。でもお答えしたい。でも責任がとれない。あーどうしよう。
 うん。わたしが正しいと思うことを書こう。それしかない。
 ではどうぞ。




 いつもメルマガを読ませていただいています。もう何年になるかわからないぐらいです。甲田先生・松本医院・シャカの言葉・ユーグレナでご快復されていること、自分のことのように私も嬉しいです。

以下私ごとですみませんが、歯の扱いについて岐路に立っています。
奥歯の詰め物(金属)が虫歯で外れてしまったため歯科に通い始めたものの、神経まで達してしまいました。
今後治療を受ける上で薬剤で神経を殺してからほじくり出すことになります。
歯科治療についていろいろ調べているうちにその薬剤もあとからその部分に詰める歯科資材も身体に悪影響があることが分かってきました。

子どもの頃からアレルギー持ち&化学物質に過敏でできる限り避けてきたため、納得してその治療を進めることができずにおります。
そうなると歯が悪くなるたびに自然に朽ちていくのに任せるのか
(かなりの痛みを伴うそうです)
無理やり歯を残すことを選んで劇薬を体内に入れるのか、
という選択を迫られています。

整体師の友人の見解によると、歯を失い咀嚼や頭蓋骨(及び内部の蝶形骨)への影響があることのほうが、
健康寿命を延ばす上で薬剤の影響よりも大きいとのことです。

 今回の松井様のメールに「あと何十年も生きるわけではないし。。。」と今後の選択に際し
どちらにしても納得のいかないまま進んでしまいそうな心理を見透かされたような気がしました。
改めてYouTubeを通しで視聴させていただいています。次回のメルマガも心待ちにしております。
以上長文を失礼いたしました。
寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。

ゆめ(50代主婦)

      ◇

 さぞおつらいことでしょう。こんなにつらいなか、こんなにあたたかい応援のことばを書いてくださるなんて、ゆめさんは私よりもずっと人間のできた方でいらっしゃいますね。
 そんな方に何か申し上げることができるのか、はなはだ心もとないのですが、わたしも同じ経験をしているのでお気持ちはわかるつもりです。
 クローン病がいちばんひどかったとき、虫歯にもなりまくりました。 歯がガンガン、どころではなくて、ぐわんぐわん、ぐわぁんぐわぁああぁん痛くて、痛みが頭のなかじゅうに広がって、広がった痛みが脳天を突いて脳みそを揺らしつづけるのが一瞬も途切れない。はい地獄。
 そこまで痛くなる前は、クローン病の治療で生じている免疫の揺り戻し(リバウンド)による歯の神経痛だと判断して、抗ヘルペス剤を飲んでがまんしていたのですが、日に日にひどくなり、上記のような地獄になった。なるべくそちらの歯を使わないように、やわらかい食事をしていたら、口のなかでバキッと音がして、固いものを感じて、吐き出すと、「は?」そう。歯。シャレではない。
 歯医者に行ったら、「あーこれ神経いっちゃってますわ」。神経痛ではなく虫歯だった。
 がーん。
「神経とるしかありませんわ」
 がががーん。
 正しいと……おもった……のに……。

 まちがってたぁぁぁ。

 というわけでこのときは、正しいと思った判断がまちがっていた例でした。
 さらに、
「神経をとらないとどうなるのでしょうか?」
「ここからウミが出てくるようになります」
 てことは、細菌が歯の内部に繁殖するってことだから、歯から血管に入って、心臓に行って、心臓病になるリスクがあるな……。
「じゃあ……お願いします」
 なにしろその場で決断しなければいけなかったので、死ぬリスクはさすがに受け入れられない、神経を失う悪影響よりもそっちが重大だ、死ぬよりはいい。
 と、そのときまた、それが正しいと判断したのでした。その日は何もせず家に帰って調べてからまた来るという方法もありましたが、そんなこと言っておれない。もう一瞬もがまんできない。それほどの痛みでした。

 神経をゴリゴリゴリゴリほじくり出してもらいながら、これでほんとうにいいのか、正しい判断なのか、うーん、わからん。とほほー、と思いながら口をあけていました。

 で、すっかり良くなって(?)、家に帰って、この判断は正しかったのか? 気になって、調べてみた。

 ……。

 まちがってたあぁぁぁ。

 いや、まちがいなのかどうか、それも、別の選択をしてみなければわからないことであって、正しいかまちがいかは実行したあとにわかることなのだが、とにかく、

「神経を抜かずに治す歯医者は、探せば存在する」。

それは、わかったのでした。
そしてどうやら治療費が高額らしく、わたしはどっちみち神経を抜いてもらう以外に選択の余地がなかったこともわかったのでした。

 で、あれから、この春でちょうど10年がたちますが、うん、そんな重大な選択ミスではなかったとおもう。なによりクローン病が治ったし、おかげで、子供時代をふくめていまが人生でいちばん体調いいからね。
 ほんとうは、歯の神経が残っていれば、あるいは、もっと体調がよかった、のかもしれない。わからない。
 でも。

 これだけ健康なら、ま、これでいーんじゃね?

 と、いま思っています。なので、まあまあ、正しかったんじゃないかと。
 ただ、生活にゆとりがあって高額治療が受けられるのだったら、神経を温存するやり方をしたでしょうね。それでいまよりも良かったのか、悪かったのかは、わかりませんが。

 とにかく致命的なことではなかったようです。ほんとうは致命的なことが起きていて、気がついていないだけなのかもしれませんが、これは、虫歯にかぎった話ではないしね。
 きょう食べるごはんだって、それが正しい選択かどうかわからない。
 いま吸い込んでいる空気も、寿命にどう影響しているのかわからない。
 こうしてパソコンの前に座っていることも、WiFiの電波を飛ばしているのも、それどころかまもなく5Gの電波が人工衛星から地球じゅうに降り注ぐようになっていよいよ逃げ場がなくなりますが、それでわたしの人生がどう狂うのか、まったくもってわかりません。わからないまま、常に、一瞬一瞬、いのちの判断を迫られているのがきょうのわたしです。

 虫歯もそうなので、いま正しいと思う判断をなさってください。

 あと、おっしゃるとおり、いつまでも生きるわけでなく、あと30年なのか40年なのか、わかりませんが、「できるだけ健康に生かしておく」ことしかできないわけなので、自分のポリシーにしたがって、体を扱いましょう。
 お大事になさってください。



◆編集後記
 あ、今年もよろしくですー。(遅)



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