治っても死ななくなるわけではない
メールをご紹介します^^
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老子の「足るを知る」という言葉。私も好きな言葉です。(中略)
仙人になって修行というのは、自分さえ悟りの境地に入って幸せになれればいいのかと自分勝手な気もします。
この俗にまみれた世間の中に入って修羅場を潜り抜けながら試行錯誤しているだけでも充分修行できるので、わざわざ仙人にならなくてもいいのではないかと思ってますが、
どうなのでしょうか。
(ひまわり さん)
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ありがとうございますっ ^^
いやホントそれ。
ひとり山の中で何かを得ようとしても何も得られず、たとえ得られたとしてもさぞつまらないでしょう。
ひとにお返しするためにもがいてこそ得るべきものが得られる。
むしろ、山を下りるべき。
法然(ほうねん)も親鸞(しんらん)も始めは山で修行していて、これじゃダメだと山を下りました。
欲をなくそうとしたところで、欲はあるのだから。
ていうか欲が「ある」んじゃなくて、欲がわたし、わたしが欲なんだから、
醜いままが美しい、汚いままで輝くわたしにならないと、
キリがない欲を持ったままで満ち足りることは永遠に不可能です。
問題はどうやってそんな状態になるか。
クイーンのデビュー曲「炎のロックンロール(Keep Yourself Alive)」にこういう歌詞がある。
「『キミは毎日が良くなっていると思うかい?』『いいや、毎日が墓場に向かっていると思うよ』」
だからキープャセルファライヴ!! 今を生きようぜ! てなるのであるが、
うん、そうなのだが、
今を満足するにはその「モヤっとした心」を片付けておかないといけないのだ。
芥川龍之介は、35歳で自殺する直前、友人にあてた手紙のなかで
「ぼんやりとした不安」
と書いている。
自分がなぜ死ぬのかというと、理由は、ただぼんやりとした不安であると。
しばらく文学者のあいだで、この「ぼんやりとした不安」とは何であるか、かんかんがくがくの解釈がつづいた。いまも芥川を研究する者はこの問題が避けて通れない。
なぜ売れているまっさいちゅうの35歳で自殺したのか。
死を強く意識していた晩年の作品から見えるのは、「どうせ死ぬのになぜ私は生きているのだ」という煩悶(はんもん)である。
一度この悩みにとりつかれてしまうと、何をしても無意味に思えてしまうのだ。
昭和2年発表の事実上の遺作である『歯車』はこう結ばれている。
「僕はもうこの先を書きつづける力を持っていない。こういう気もちの中に生きているのは何とも言われない苦痛である。誰か僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?」
わたしは難病で、苦しかったけど、どうして苦しいのか。
この痛みが苦しいのか。熱がつらいのか。下痢がイヤなのか。意識がもうろうとして思うような原稿が書けないのが不満なのか。
それもある。
だが、どうも、そこが苦しみの本体ではないような。
治療のための生活はたいへんだ。ことに松本医学の、免疫を正常に戻して難病を根治する生活は、はっきりいって地獄だ。
なぜみんな、これをせず、症状をごまかす標準医療にするのか。
松本理論を知らないのもあろうが、したくないのだ。地獄の生活を。
わたしも、何度もおもった。こんな地獄の苦しみに耐えて、治ったとしても、どうせ死んでしまうのにな。
あと40年くらいの命だ。長くない。
だったら、そのあいだ、薬でごまかしておくのは悪い選択ではないのでは。と。
どうせ死ぬのになんでこんなことしてるのかと考え始めるとヤル気がうせる。
これだ。
「どうせ死ぬのに」。
この心だ。
苦しみの、本体は。
わたしは死んでしまうのだと思うと、とたんに、何もかもバカらしくなる心。この心への対処!
これだ。治療生活を支える、ひいては人生を支える最重要に為すべきことはこれだ。
難病が治るには、この心と向き合わなければならなかった。
つづく
◆編集後記
お返事が長くなるので本文では割愛しましたが、メールの続き^^
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ゲームや漫画がお好きとのことですが、この世に生まれたからには、それらを楽しんでほしいと思います。ゲームや漫画からも学ぶことはたくさんあるでしょう。思い切って買って楽しんでみるのもいかがでしょうか。
松井さんのおかげで私も玄米食にしてみたり、調味料にこだわってみたり、食に対する意識が変わりました。ありがとうございます。
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こちらこそありがとうございますっ! こんなところまで気づかってくださってー。
おかげさまで、長いボンビー生活で知恵をつけ、お金をかけずに意外と遊べるぞってことがわかってきまして、
いまやゲームはゲーム機を買わなくてもスマホなどででき、
やりたかったのは「ドラクエ10」と「11」ですが
「10」は始めのほうが無料らしいので無料でいけるところまででじゅうぶん、
「11」は有料ですが旧作扱いになっていて1ヵ月でやめれば100円らしく(買えずに放置したかいがあったw)、1ヵ月でクリアすればよし。
ネットと課金制のなせるわざですが、いやー しばらくゲームしないうちに時代が変わりました。昔じゃ考えらんなかった。ファイナルファンタジー6なんてたしかカセット1万円したぞ。
いまの子には「カセットって何?」って話でしょうが。
てかこの話が一般読者にはイミフですねスマン。
てわけで、時間がつくれたらやってみます^^